基礎情報
医薬品とハーブ

カンナビノイド医薬品

カンナノイド医薬品には、植物由来のものと化学合成由来のものの2種類があります。

植物由来
Sativex(サティベックス) THCとCBDが1:1で混合したもの
イギリスのベンチャー製薬会社であるGW製薬が開発し、2005年にカナダで多発性硬化症の痛み改善薬として承認され、てんかん、ガン疼痛、神経膠腫、2型糖尿病、潰瘍性大腸炎、統合失調症などの疾患の臨床試験が進んでいます。剤型は、舌下吸収によって摂取できるようにスプレー剤であり、1回に100μLが正確に噴射し、1回分はTHC2.7mg、CBD2.5mgが摂取できます。患者の状況によって異なりますが、1度に4~12回プッシュして摂取します。
合成由来
Marinol(マリノール) T合成THC
1986年に発売され、適応症は、エイズ患者における体重減少に関連する食欲不振と従来の制吐剤の治療に適切に対応することができなかった患者における癌化学療法に関連する悪心および嘔吐です。
Cesamet(セサメット) 合成THC誘導体
2004年から発売され、適応症は、化学療法にともなう嘔吐や悪心を抑える制吐剤、神経因性疼痛のための鎮痛剤、エイズの消耗症候群を抑制するための食欲増進剤です。

ハーブ(薬草)=医療用大麻

 カンナビノイドの利用が合法化した地域では、医薬品としてではなく、ハーブ(薬草)としての利用が一般的で、医療用大麻(Medical marijuana)と呼ばれています。

 国際大麻医療学会によって2011年に発表された研究では、953名(男女比65%:35%、31ヶ国)の医療用大麻の入手について①自家栽培40%、友人・知人を含む他の人からの譲渡32%、民間のディスペンサリー(医療用大麻の配給所)19%、製薬会社や政府調達7%、不明2%でした。

 摂取方法は、①肺からの吸入(ジョイント・喫煙)が63%、②同じく吸入でベポライザー(気化吸引)が23%、③口から入れる経口摂取(お菓子やケーキ類・チンキ)が8%、その他が6%でした。カンナビノイドの摂取には、血管に直接入れる静脈注射は一般的に行われていません。

医薬品とハーブ(薬草)との相違点

 海外において医療目的でのカンナビノイドの利用は、ハーブ(薬草)として利用されています。THCやCBDといった単一成分の利用よりも、ハーブとしての植物エキスの方が、生薬的な相乗効果=薬効があり、副作用が少ないことが挙げられています。学術的には、アントラージュ効果(側近効果)と呼ばれています。

 西洋医学を学んだ医療従事者から見ると、カンナビノイド医薬品が市販されているならば、それですべて対応できるように思われがちですが、ハーブの方が、生物学的なメリットに加えて、心理的、経済的および社会生活的なメリットが大きいのです。

医薬品のメリット
  1. いわゆる「ハイ」にならないような製品設計をしている(サティベックスのみ)
  2. 細菌・カビ・重金属などの有害物の混入がないよう厳格な品質管理がされている
  3. 標準的な治療法が定まっているため医師や患者が扱いやすい
ハーブのメリット
  1. THCとCBDだけでなく、他のカンナビノイドおよびテルペン類などの有効成分を摂取できる
  2. 品種や摂取方法がいろいろあるから楽しめる
    =患者同士または薬局(ディスペンサリー)の人との会話が弾む
    =QOL(生活の質の向上)
  3. 比較的価格が安い
  4. 合法な地域では、自分で栽培・調合・摂取できる
    =セルフケア&園芸療法効果が期待できる